1865年4月14日。後世の人々を震撼させる「リンカーン暗殺事件」当夜。実行犯ジョン・ウィルクス・ブースとマイケル・オローリンの2人組は、酒場の奥で歴史学者トーマス・ゲイツにある暗号の解読を依頼していた。そこに敗北した南軍を復興させ、逆転勝利に導くに充分な力を持つ莫大な財宝のありかが隠されている事を察知したトーマスは暗号の書き込まれた日記帳の一部を破って暖炉に放り込むが、自らも犯人らの凶弾によって一命を落とした。
歴史学者にして冒険家のベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)とその父親パトリック(ジョン・ヴォイト)は、“アメリカ史上最大の謎”とされる「リンカーン暗殺者の日記」についての講演を行なっていた。
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2007年GWから夏にかけての最大の話題作、ヒット作となった『パイレーツ・オブ・カリビアン〜ワールドエンド〜』。このシリーズの製作者であるジェリー・ブラッカイマーがこのお正月映画戦線に送り込む、超豪華娯楽大作が本作『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』なのだそうである。
昨今、特にこの作品のように公開前から話題性に富み、ある程度のヒットが約束されているような娯楽大作では関係者向けの試写会や最初に公開される国で不法に撮影・録音する等して作品を盗み出し、公開前にNETで公開したり違法DVDで販売したりする事件が頻発しており、世界中の映画業界が大被害を蒙っているそうだ。そこで対抗策として最近よく導入されているのが「世界同時公開」で、この作品もその例外ではない。しかし困った事に筆者は月刊誌をベースに活動している評論家なので、専門誌については試写を見ないで作品レビューを書かなければならない、という困った事態が生じることになる。