舞台はまたしてもテキサス州の田舎町、オースティン。なぜか踊りのクライマックスになると目から涙が溢れ出すゴーゴー・ダンサーのチェリー(ローズ・マッゴーワン)。美しく多才な女性だったが、それは全てこの田舎町での生活には「無駄な才能」と感じてお り、人生を半ば投げたような日々を送っていた。自分をまだ愛していると訴える正体不明の元彼、レイ(フレディ・ロドリゲス)との再会には少しだけ、胸がときめいたが。 一方、街の郊外にある米軍極秘施設では、マルドゥーン大佐(ブルース・ウィリス)と闇の生物化学者アビー(ナヴィーン・アンドリュース)が取り引きをめぐって激しく言い争っていた。やがて交渉は決裂! 事態は銃撃戦にまで発展し、流れ弾がタンクに命中! 中から緑色のガスが流出し始める。 映画の詳細はこちら
60〜70年代のアメリカ各地(特に田舎!)に数多く存在し、B級映画の2本立て、3本立てばかりを上映した劇場の総称「グラインドハウス」。その当時の、“カネと時間はないけど面白い映画を作って見せるぜ!”という熱いスピリッツを現在に蘇らせよう! というコンセプトで製作された2作品のうちの1本だ。ちなみにもう一つは前回紹介したクエンティン・タランティーノ監督作品『デス・プルーフ』
当時の熱気や興奮、バカバカしさやチープ感をこれでもか? と悪ノリギリギリの線で再現! 最近の映画にはないパワーと自由さ、そして限界知らずの過激でセンセーショナルな表現が心地よい。アメリカでは、クエンティン・タランティーノが監督した『デス・プルーフ』と、ロバート・ロドリゲスが監督した本作『プラネット・テラー』が“2本立ての映画”を模した1つの作品として公開されたが、日本ではそれぞれが独立した「ディレクターズカット版」として公開される。アメリカ版では上映時間の関係でカットせざるを得なかったアクションシーンやゾンビによる残酷でシュールな襲撃シーンもふんだんに盛り込まれているという。
さて、学生時代に製薬会社の人体実験のアルバイトをして作った僅か$7,000の予算で製作したアクション映画『エル・マリアッチ』で監督デビューを果たしたという、その出身自体が「グラインドハウス」なロバート・ロドリゲスが本作の監督。ハリウッド進出を果たしてからも『デスペラード』、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』、『パラサイト』、『スパイキッズ』シリーズ3部作、『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』、『シャークボーイ&マグマガール』等、独自のおバカ路線を決して忘れない作風が 人々に愛されている。