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『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』

『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』

STORY


源氏と平家が雌雄を決した「壇ノ浦の戦い」から数百年。平家の落人が拓いたという寒村「湯田(ユタ)」には埋蔵金の噂が立ち、今は赤い集団「平家ギャング」に牛耳られてた。頭目の清盛(佐藤浩市)らは、保安官(香川照之)までも抱き込んでやりたい放題。村人から金品家財を強奪するばかりか先祖の墓まで堀り返し、血眼になって黄金を探していた。抵抗を試みた村長(石橋蓮司)らは次々と惨殺され、吊るされた。
 だが平家ギャングの天下は短かった。白い一団「源氏ギャング」がやって来てたちまち台頭。彼らを率いるのは「モノノフの魂」を説くクールなリーダー、義経(伊勢谷友介)だった。
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解説


祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす
猛き者も終には滅びぬ
ひとへに風の前の塵に同じ
驕れる者も久しからず
ただ春の夜の夢の如し

「平家物語」の序文である。中学、高校の古文の授業でも一番好きだった題材だ。『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』では、オープニングにイキナリ、伝説のガンマン役のクエンティン・タランティーノがこれを英語の詩として暗唱してみせる。観客は一気に、作品の世界に吸い込まれてしまう。

『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』

本場ハリウッド製の西部劇の人気に翳りが出始めた‘60年代半ば、突如としてイタリア映画界でウエスタン映画製作熱が過熱、それらは本家アメリカやヨーロッパ各国では「スパゲッティ・ウエスタン」と蔑称され、派手すぎる銃撃戦シーンやともすれば飛躍しすぎるストーリー、過剰すぎる暴力描写、お色気描写が一部のバッシングを受けたものの、作品に漂う独特なムードは一般大衆におおいに指示され、世界的な大ブームとなった。

日本でその人気が爆発したのはあのクリント・イーストウッドが自らの飛躍を求めて海を渡って出演した『荒野の用心棒』('64)から。その際、当時映画宣伝部に勤務しておられた故・淀川長春先生が「マカロニ・ウエスタン」なるキーワードを考案され、人気に拍車をかけた。


そしてこの『荒野の用心棒』は黒澤明監督の『用心棒』(‘61、もちろん時代劇)のパクリ。さらにハリウッドには『7人の侍』をリメイクした『荒野の7人』もあった。そう、西部劇の源流は日本の時代劇にあり。
 ココに目をつけたのが三池崇史監督。予算の高低や内容テーマの貴賤に関わらず、“早く、安く、面白く撮る!”日本で最も多忙な映画監督と言われている鬼才である。石井は『漂流街THE HAZARD CITY』('00)で椅子からズリ落ちるほどビックリして以来の大ファンなのだ。近作では『ゼブラーマン』('03)の監督、と言えば“ああ!”と思う人も多いと思う。ちなみに次回作はナント、『ヤッターマン』を実写で撮るそうだ。スゲー!



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「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」

STAFF
監督:三池 崇史
出演:伊藤英明、佐藤浩市、伊勢谷友介、安藤政信、石橋貴明、
木村佳乃、香川照之、桃井かおり、クエンティン・タランティーノ
主題歌:SABURO☆KITAJIMA『ジャンゴ〜さすらい〜』(日本クラウン株式会社)
2007年/日本映画/PG-12/提供・配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

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