皆さんご存知の通りアメリカは訴訟大国です。自分の権利を最大限に主張する人が多い国です。
訴えた、訴えられたを普通に耳にします。日本ではまず聞かない話でした。もし訴えたり訴えられたりしても、周りには黙っておくものです。アメリカに生きる人は、その辺がかなりオープンで、昨日映画観に行ったんだ〜と変わらない感じで割とパーソナルな話をしてきます。
その割に年齢を聞くのは失礼とされるのだから不思議です。
レストランで働いていてオーナーを訴えた事がある女性、レストランを経営していて従業員に訴えられた事がある男性、どちらもこちらへ来て知り合った2人で、彼らから聞く話にとてもカルチャーショックでした。
当時日本食レストランで働いていたという彼女は、オーナーがチップをくすねている事に気付き、友人と2人で声を上げたそうです。ウェイトレスにとってチップは死活問題なので気持ちは分かります。
でも他のスタッフ(主に日本人)は、訴えたら勝っても負けてもここで働きにくくなるし、他に働ける場所も無いからと仲間には加わらなかったそう。それもよく分かります。結局裁判はオーナー側が負け、訴えを起こした彼女は別のレストランを探したそうです。
パートのおばちゃんでもオーナー相手に訴訟を起こせる、その行動力に心底驚きました。大抵は諦めてそのまま働き続けるか、もっと条件の良い場所を探すか、そんくらいのもんです。
しかもこの女性、日本の方なんです。普段は特に自己主張も強く無い、どこにでもいる感じの日本人です。それがアメリカ生活も長いとこんな風になれるのかと驚きでした。
2人目は、小さなレストランを経営し自ら調理も担当していた男性です。チップを搾取したり、不当な賃金で雇ったりしていた訳ではありませんでしたが訴えられました。ある従業員が業務開始時間よりも早目に来て、終了時間よりも遅くまでお店にいた。(特に何をする訳でもなく) なのにその分の給料が出てないから支払え! と訴えられました。結果オーナーの彼は敗訴したそうです。業務内容的に残業する必要も、早目に来る必要も無いと口では言っていたものの、書面には残さず、放っておいた。彼自身の管理不足でもあるので仕方ないと言えば仕方ない話ですが、それにしてもあんまりだなと。しかも驚く事に、その勝訴した従業員は相も変わらずそこで働き続けたそうです。凄すぎる。
確かに働く権利はあります。それでも訴えた相手の元で働き続けられるって、その強心臓っぷり。しかもちょっとずるい手を使って訴えたのに。勝った方が正義と言わんばかりのその態度。
いやぁ、凄い。凄いです。 真似したいとは微塵も思わないけど、仕方無しに残業や休日出勤させられても声を上げられない人が多いこの日本社会に、少し分けて欲しいくらいの強さだなぁと感心してしまいます。
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