2006年9月10日の日曜日、石川県金沢市の陸上自衛隊金沢駐屯地にて、駐屯地創立56周年記念行事が開催された。ここ金沢駐屯地は昭和25年、旧陸軍山砲兵第9連隊跡地に設置され、現在は石川、福井、富山の北陸3県を担当する第14普通科連隊を中心とする部隊が配備されている。
記念式典の初めに、8月に事故で殉職した同駐屯地に所属していた2隊員に対しての黙祷が行われ、駐屯地司令と来賓による訓示、祝辞の後、隊員と車両による行進が雨の降りしきる中で実施され、引き続いての訓練展示は、第一空挺団による空挺降下と第304保安中隊によるドリル演技は中止されたものの、模擬戦闘訓練は2部に分かれて実施された。
訓練の第1部は、敵工作員数名の潜入が確認され、隊員が住民を安全な場所への避難誘導の最中に工作員が襲撃するが、徒手格闘によって制圧する。建物を占拠した工作員には戦車と軽装甲機動車が包囲し、建物屋上から隊員2名がロープ降下し、地上で合流した隊員と突入。引き続き、隊員1名が降下し、9ミリけん銃を構える中、再び屋上から2名の隊員が窓ガラスを蹴り破って突入して制圧するなど、国民保護法を大きく意識した内容となった。ちなみに、昨年11月に福井県美浜町で行われた第1回目の国民保護法に基づく実働訓練には、この第14普通科連隊も参加し、住民の避難誘導を担当している。
第2部では、戦車、特科部隊との連携による野戦タイプの内容であり、敵陣地に対し、戦車、特科部隊の支援射撃の中、普通科部隊が突撃を開始。この際に負傷した隊員を救護すべく、UH-1Jヘリから小銃を携行した4名の衛生隊員がリペリング降下したが、この4名は何とWAC(女性隊員)であった。
今回の戦闘訓練展示はより現実感溢れる内容で、今までは見られなかったものであり、久々に緊張感を感じさせるものであった。