アメリカンギャングスター
American Gangster
1968年ニューヨーク。黒人街=ハーレムを仕切る大物ギャング、エルズワース“バンピー”ジョンソン、に15年間仕えた運転手兼ボディガードのフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)は、ボスを突然の心臓発作で亡くして以後、誰にも使われない一匹狼として生きることを決意。従来はイタリア系マフィアがその利権を押さえていた麻薬の密輸、密売ビジネスに目をつけた。
それは、タイにいる知人を通じて東南アジアのジャングル奥地に君臨する国民党系の「生産者」から直接、大量に仕入れたヘロインを、当時ベトナムを行き来していた軍用機に便乗させてアメリカの基地(ナント! フォーブラッグが名指しで登場!)にまで直接空輸するという大胆な計画。安くて良質な「商品」を生産者から直接大量に仕入れ、安価で幅広く大衆に販売するというこの方法は、当時アメリカに上陸して破竹の勢いでシェアを伸ばしていた日本製の電化製品と、大型量販店のビジネススタイルを模倣したものだった。
フランクはこうして運び込んだヘロインを馴染みの街の女たちに加工・販売させる。従来よりも2倍の純度で価格は半値の「ブルー・マジック」はたちまち裏のヒット商品になった。クールな戦略と大胆な行動力によって瞬く間に巨万の富を築いたフランクは、田舎から家族親類を呼び寄せ、組織を拡大させていく。しかし自身は派手な行動を極力慎しみ、決して目立たぬように振舞ったこともあり、長い間その正体は気づかれずにいた。
いっぽう、汚職や賄賂といった腐敗がはびこる警察内で自分だけは腐ったリンゴになるまいと踏ん張る孤高の刑事、リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は、捜査中に偶然発見した100万ドルもの現金を着服せず、届け出た事から、仲間であるはずの警察内部からも疎まれ、厄介者扱いされる存在となった。私生活の彼は女性関係にだらしなく、親権を巡って妻と法廷で争っている最中にも、女性書記官と関係を持つ始末。
しかしそんな彼の性格を見抜いた地方検事ルー・トバック(デッド・レヴィン)の肝入りで、新たに組織されたエセックス郡麻薬特捜班の責任者となったリッチーは、かつての同僚の精神と肉体を蝕んだ上、破滅と死に追いやった悪魔の薬「ブルー・マジック」の元締めを特定し、追跡すると言う任務に執念を燃やすのだった。
「顔の見えぬ敵」=いまや暗黒外の頂点に立ったフランク・ルーカスを、ジリジリと追い詰める孤高の麻薬捜査官、リッチー・ロバーツ。それぞれのけもの道を行く男たちの容赦なき闘いの人生は、やがて交差し、激しく火花を散らしあう事に……!
監督:リドリー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、キウェテル・イジョフォー、キューバ・グッディングJr、ジョシュ・ブローリン、テッド・レヴィン、アーマンド・アサンテ、ライマリ・ナダル
2007年/アメリカ映画/2時間37分/R-15
原題:『American Gangster』/配給:東宝東和
2月1日(金・映画の日)日劇・1 他にてロードショー!
©2007 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED.
※2008年1月付けの情報です。