まだ映画を観ていない人に伝えるのはとても難しいのだが、観ようによっては仲間同士で撃ち合うのが忍びなく「わざと外し合っている」ようにも見えるこのシーン。とにかくこの場面に凝縮されている意味は、じつはかなり深いのでは? と私は見ている。この後にボブがその撃ちの一人を射殺する場面。さらにジェシーが裏切った仲間を射殺する場面。そしてボブがジェシーを射殺する場面。全てに繋がってくる極めて重要なシーンであったろう、と思う。
製作も兼ねたというブラッド・ピットは「小道具も本物にこだわった」そうで、ジェシー・ジェームズが指にはめている金の指輪には画面には映らない箇所にまで刻印が入れられ、また皮肉にもジェシー自身がボブに送り、後日自身の暗殺の凶器になったという「S&Wスコフィールド・モデル3/.44口径」の仕様(ニッケルメッキ、樹脂製グリップ付き)も史実に基づいているという。
1967年12月、東京都生まれ
銃器&映画ライター 銃器評論家 射撃選手 映画評論家
年に3〜4回は海外の試合や訓練に参加し、実銃射撃の経験
を積み重ねている[現役のs射撃手」でもある。銃に関してはカタログデータや資料
からの引用、列記のみによる頭でっかちな知ったかぶり原稿が許せず、“自分の肉眼
と身体で知りえた情報を書く!”が信条。