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石井健夫のMOVIE EXPRESS

『グッド・シェパード』

『グッド・シェパード』

STORY


1961年、CIA(アメリカ中央情報局)が計画していた極秘のキューバ侵攻作戦は情報漏れから失敗した。CIA史上最大の汚点と言われた「ピッグス湾事件」である。立案責任者の一人であったエドワード・ウィルソン(マット・デイモン)は、失敗の真相究明に乗り出す。続々と収集される証拠写真やテープの分析が急ピッチで進む……。 第二次大戦前夜の1939年。両家の子女が集まる名門イエール大学でエリート・コースを歩むエドワードは、ある晩FBI捜査官ミュラッハ(アレック・ボールドウィン)の接触を受ける。それは担当教授の身辺調査を行い、ナチス親派である証拠を探す任務。エドワードは幼い頃、海軍高官だった父親(ティモシー・ハットン)を自殺で失っていた。父には汚職疑惑もあった。“自らが立身出世し、父の汚名を晴らす”というエドワードの悲願を、FBIは利用したのだった。
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解説


誰も知らなかったアメリカ史のダークサイド。その暗部を綿密なリサーチによって克明に暴き出すだけでなく、濃密な映像と圧倒的な演出で長い上映時間まで忘れさせ、観終わった観客の心に重い忘れ得ぬ余韻を残す。これぞ“20世紀最もセンセーショナルな映画監督”フランシス・フォード・コッポラが確立したスタイルだ。

『グッド・シェパード』

マフィアの歴史や内情を描いた大河ドラマ、『ゴッドファーザー』と『ゴッドファーザーPART2』。ヴェトナム戦争の混沌と狂気を爛々と描いた『地獄の黙示録』。この3作品は誰が何と言おうと大傑作で、筆者は今でもCS放送でやれば仕事も家事も全て放り出して観てしまう。この『グッド・シェパード』の脚本は、そんなコッポラ監督の作品を想定して書かれたものなのだという。

しかしコッポラには駄作や失敗作も多い。制作会社にとってはリスクの高い監督でもあるのだ。というわけで本作で自身は製作総指揮に廻り、監督には盟友、ロバート・デ・ニーロを据えた。世界最高の呼び声も高い名優がメガホンを取れば制作費も集めやすいだろうし、企画も通りやすい。何よりも俳優に気合が入る。しかし基本的な演出やストーリー運びは「師」であるコッポラのスタイルそのまま、という印象を受けた。もちろん全てが良いほうに転んでいる。



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「グッド・シェパード」

STAFF
監督/製作/出演:ロバート・デ・ニーロ
製作総指揮:フランシス・F・コッポラ
出演:マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー、アレック・ボールドウィン、ウィリアム・ハート、ジョン・タトゥーロ、マイケル・ガンボン、タミー・ブランチャード、リー・ペイス、エディ・レッドメイン、オレグ・ステファン
2006年/アメリカ映画/2時間47分/原題『THE GOOD SHEPHERD』/配給:東宝東和

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