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石井健夫のMOVIE EXPRESS

『キングダム―見えざる敵―』

『キングダム―見えざる敵―』

また、身分は部下なのだが年上でチームの父親的存在の爆発物プロフェッショナル、グラント役のクリス・クーパーは、“FBI標準現場服”だと言われている「5.11タクティカル」のウェアをイイ感じに着こなしていたのにも注目したい。  ところで製作のマイケル・マンと言えばTVシリーズと映画の『マイアミ☆バイス』に、『HEAT』、『コラテラル』と、WEB COMMAND読者の皆さんにもファンが多いだろう“ガンアクションの巨匠”だが、本作、『キングダム』の銃撃戦シーンにはおおいに期待して頂いていいと思う。ハイウェイでの急襲&長距離ライフル戦! → 市街地でのM4、AK、G3にRPG-7まで登場しての凄まじいMAUT戦! → 建物に突入してのCQB&徒手格闘戦! と、行き着く暇もないクライマックスの20分には、まさに絶句。


出演者たちは実際にカリフォルニア州スミ・バレーの訓練施設で実弾射撃、シムニッションによる模擬戦闘の訓練を受けて撮影に臨んだそうで、本当に隙がなく、見事だった。


『キングダム―見えざる敵―』 そして思わず深いため息が漏れ、実際に現在、世界で起こっている現実の出来事……すなわち「テロとの戦い」と称して行われている争いがどんなに果てしなく、絶望的であるか、に想いを巡らせてしまうようなラストには参った(※ここのところ、こういう重量感のある作品が多い……)。

ピーター・バーグという新鋭監督、『コラテラル』にも刑事役で出ていた俳優であり、今回は製作に廻ったマイケル・マンの弟子のような人らしい。銃器描写の鋭さはマイケル・マン譲りだが、語り口はよりストレートでシンプルで、非常に好感が持てる。そしてまさに「現在」を捉えたセンセーショナルな内容ながらも、敢えて政治的にどちらにも偏らず、ニュートラルな視点でこのストーリーを描き切った姿勢は尊敬に値する。 今後も覚えておきたい名前である。




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石井健夫(イシイ タケオ) プロフィール

1967年12月、東京都生まれ
銃器&映画ライター 銃器評論家 射撃選手 映画評論家
年に3〜4回は海外の試合や訓練に参加し、実銃射撃の経験 を積み重ねている[現役のs射撃手」でもある。銃に関してはカタログデータや資料 からの引用、列記のみによる頭でっかちな知ったかぶり原稿が許せず、“自分の肉眼 と身体で知りえた情報を書く!”が信条。

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「キングダム―見えざる敵―」

STAFF
監督:ピーター・バーグ
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン
製作:マイケル・マン、スコット・ステューバー
出演:ジェイミー・フォックス、アシュラフ・バルフム、クリス・クーパー、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン、ジェレミー・ピヴェン、リチャード・ジェンキンス
2007年/アメリカ映画/1時間50分/『THE KINGDOM』/配給:UIP映画

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