『ダイ・ハード４.０』
さて、ヘリからも例のSPR付きMk12風ライフルで執拗な銃撃を受けるマクレーン。
それを迎え撃つ護衛のFBIエージェントたちは、R.I.S.にレーザーエイミングデバイスとエイムポイント（M68）を付けたM4A1、そう、東京マルイの「M4A1 R.I.S.」と全く同スタイルのカービンで応戦する。まさにガンファンには大変な「目の保養」である。
サイバーテロリストに雇われた傭兵たちのは現代９ｍｍ拳銃の見本市であるかのように、ありとあらゆる銃で武装していた。USP、グロック、M92FSなどの定番は、撮影の都合上、日本製のトイガンも数多く使われているに違いない。マニアは撃たないシーンでも目を凝らし、探すべし。
アジアンビューティのマギー・Q演じる女テロリスト＝マイの愛銃はやや個性を出していた。最初に見た時にはトリガーガードが丸型の新型ワルサーP99か、あるいはSW99に見えたのだが、映画会社が配信するリリース写真ではH&K USPコンパクトの次世代型に当たるHK2000C、もしくはHK3000Cになっている。カット毎に銃が変わる、なんてこともハリウッド映画では良くある事なので、ココはwebコマンドをご覧になっている皆様に最終結論を出して頂きたい。
香港映画出身のマギー・Qにはカンフーの素養があり、またカポエイラという足技主体の技もミックスされているそうで、その恐るべき身体能力でマクレーンはボコボコにされる。そしてここでマクレーンはSIG P226を失ってしまう。
身体能力といえば、冒頭Mk12風でマクレーンを狙い、ヘリ爆発でも生き残った若いテロリストを演じるのは、最近You Tube等のでも大流行のストリートスポーツパフォーマンス「パルクール」の第1人者である、シリル・ラファエリである。その動きはもはやチンパンジーやオランウータン、あるいはそれ用にプログラミングされたサイボーグのようだ。とても人間技では倒せないような相手なのである。
しかしマクレーンもまた、もはや人間ではない（!?）ので辛くも競り勝ち、ここでナント、敵からショルダーホルスターごと奪う拳銃がベレッタ社がM92Fの後継機として最も期待を寄せている最新作、Px4ストームなのだ。この銃でもマクレーンは得意のホーズ撃ちやマグチェンジを見せてくれるので、Px4も映画ファン、ガンファンに人気が出る事だろう。ガスブロゥバックをどこかのメイカーが作ってくれないだろうか？
そして今回最大の見せ場（？）と言えるのは現在海兵隊での採用を見込んで開発の最終段階にあると言われるロッキードマーチンF-35が一足早くCG映像で登場し、マクレーンとの対決で大暴れしてくれる。大型トレーラーをものの数秒で「スライス」してしまう20mmバルカン砲の威力は、CGとはいえ凄まじいものがあった。
今回の敵ボス＝ガブリエルは銀色に輝くIMIベビーイーグル（ジェリコ）を持っている。『ダイ・ハード』の第1作目で、アラン・リックマンが演じた宿敵＝ハンス・グルーバーがH&K P7M13のステンレスを持っていた。やはり『ダイ・ハード』の悪役にはシルバーの銃が良く似合う。『〜3』でも口のきけない女テロリストがステンレスのワルサーPPK/Sを持っていた。
トイガンファンが喜びそうなのはMP7A1の登場だ。マクレーンはこれで少し撃たれ、そして愛娘、ルーシーの頭にこれが突きつけられる。『〜1』では妻ホリーを人質にしたハンスはP7M13でその手下はMP5A5。『〜3』ではMP5Kを持った敵に相棒と共に捕えられ、爆弾に縛り付けられたマクレーン。彼の前に最後に立ちはだかるのはこの『〜4.0』でもやはりH&Kだった。
さあ、今回マクレーンはその窮地をいかにして切り抜けるのか？ それは劇場で、あなた自身の目で見届けて欲しい。
石井健夫（イシイ タケオ） プロフィール
1967年12月、東京都生まれ
銃器＆映画ライター 銃器評論家 射撃選手 映画評論家
年に３〜４回は海外の試合や訓練に参加し、実銃射撃の経験
を積み重ねている［現役のｓ射撃手」でもある。銃に関してはカタログデータや資料
からの引用、列記のみによる頭でっかちな知ったかぶり原稿が許せず、“自分の肉眼
と身体で知りえた情報を書く！”が信条。
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「ダイハード4.0」
CAST
●ブルース・ウィリス
●ジャスティン・ロング
●マギー・Q
●ティモシー・オリファント
●クリフ・カーティス
●メアリー・エリザベス・ウィンステッド
●ケヴィン・スミス
STAFF
● 監督：レン･ワイズマン
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